優しいチャーリー

26)10月12日 熱がさがってもまた上がるようになった。チャーリーは、熱にうなされながら、「チャーリー可哀想そう」と壁に向かってぽつんと独り言を言ったのが聞こえた。おとうは、どうしたん、しんどいんか、と声をかけた。チャーリーは、特に何もなかったように振り返って、おとうの顔をみてくれて優しく微笑んでくれた。   

 心配せんでいいよ、と言ってくれているように思えた。

 おとうには、チャーリーのつらい心が見えるような気がしたけれど、何もしてあげられなかった。逆に、チャーリーがおとうのことを気遣ってくれているのがよくわかった。

 チャーリーは、他人思いの気持ちのしっかりした人だった。